2016.10/17 [Mon]
イヴ&ローク38 "Thankless in Death"

J・D・ロブのイヴ&ロークシリーズ38、日本語タイトル「パーティーは復讐とともに」
もう38巻目ですね。いったいどれだけの作品を生み続けるのでしょう。まだ、日本では刊行されていませんが、すでに発刊が決まっている作品があり、しかも39・40はまだ読んでいません。これからの展開が楽しみですが、まずはこの「パーティーは復讐とともに」から。
26歳の青年ジェリーは根っからのろくでなしです。どんな仕事も続けることができず、休んだり遅刻したり。いくつ目になるのか、最近仕事クビにされ、恋人には家を追い出され、両親の住む実家で暮らしていました。
ろくでなしのジェリーは、両親から「仕事を探し、就職」するよう言われ続けていますが、あてもなくブラブラしています。ある日、母親の愚痴(これは親の愛と鞭ですね)を散々聞かされとうとう切れてしまいました。手近にあったナイフで母親の腹を刺し、快感を覚えた彼は母を切り刻みます。そして勤めから帰る父を待ち、バットで撲殺しました。
その後、元恋人、教師、友人と次々に犠牲にしていきました。「俺は生まれ変わったじゃ~~~ん」って感じです。過去にあった不快なことや不運はすべてあいつらのせいだ!復讐してやる! みんなあいつらが悪いんだ!
ロブの作品のほとんどは有名人だったあり、大きな権力を持った人であったり、大金持ちの欲深だったのですが、この作品はどこにでもいる平凡でとりえのない、目立たない男です。ただ、長く恨みをため込んで、一気に爆発・・・という、なんだか韓国ドラマみたいな展開です。しかも、悪いのはジェリー本人で、犠牲になったのは親切で、正しく生きている人たちです。逆恨みですね。
マンハッタンはそろそろ冬、感謝祭が間近に迫っています。イヴとロークもアイルランドから親戚を招待し、友人たちも参加して盛大なパーティーを予定しています。そんな中、くそったれのジェリーが事件を起こし、イヴは捜査主任になりました。原作のタイトル、"Thankless in Death" はそんな感謝祭にちなんで、素晴らしい人たちの中で暮らしている殺人犯を「Thankless」と言ったのでしょう。まさに犯人の存在は誰にも感謝されません。
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